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岩本忠美

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和の心と真摯なモノ作りをこの作品に見る

日本の伝統工芸は様々ありますが、木工品もまた重要な一つに数えられます。加工方法は大きく分けると4つ。重箱のように板を差し合わせて作る“指物(さしもの)”、木工旋盤によって回転させた木材に刃物を当てて削りながら作る“挽物(ひきもの)”、薄く削り取った木材を婉曲に曲げ桜の皮などで綴じる“曲物(まげもの)”、そして“刳物(くりもの)”は木材を刳り貫いて作る技法です。どれもが古くから伝わり先達の努力と情熱によって今に伝わってきたもの。こちらの作者である岩本忠美さんは、そんな日本の手仕事に関心を持った一人。国内の著名な工房へ足を運び、木工技術や漆の基礎を学びながら独自の美しいコレクションを生み出したのです。ほとんどのアイテムに採用している技法が“刳物”で、長い時間をかけて丁寧に削り出していきます。中でも多くの称賛を浴びるのが椀。「木をどのように見て、どのように生かすか」という、彼が大切にしているモノ作りのポリシーをこちらから存分に感じてもらえるでしょう。おおよそ漆器とは思えぬほどのマッドな仕上がりは落ち着いた佇まいで、日本特有のわびさびの美学が感じられます。バランスのいい湾曲したアウトラインは手に程よく収まり、肉厚さが汁物の熱から手をしっかりと保護。その細部にわたる配慮は、日常生活で長く使える物をとの考えのもとに作り上げるからこそでしょう。だからこそ、これまで紡いできた伝統と美学が宿るこのアイテムに私たちは惹かれるのでしょう。そして、これからもこの椀と共に朝を迎えるのです。漆椀¥19,870(+TAX) [Ekoca] TEL 03-5721-6676

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