CUT & SEWN

WEAR THE PHILOSOPHY

BOOKMARK

ファッションは自由であることに気付く

黒人たち(主にプランテーションなどで働く労働者)の間では、簡易的な楽器などを使った音や歌が気分を高揚させるひとつの楽しみでした。そこから派生した音楽がブルース。19世紀初頭、アメリカのミシシッピーやテネシーなどで働く黒人奴隷たちの間で歌われていたフィールド・ハラー(労働歌)がその起源とされています。シンコペーションのリズム、ブルーノートスケール、四拍子で区切られる整った小節感覚がおぼろげながら感じられるためです。以降、アコースティックギターを使った弾き語りをベースとするデルタブルース、バンド形式のシカゴブルース、さらにはロックとの融合によるブルースロックへと発展。ちなみに、ロックのベースはブルースとも言われています。様々な融合を繰り返すことで音楽は無限の可能性を我々に示唆してきました。その感覚を、WEAR THE PHILOSOPHYにも感じるかもしれません。YUGEのデザイナー、弓削匠氏がディレクターを務めるこちらは、ミュージックセレクターやスタイリストなどがコアメンバーとなり、様々な“表現者”と共にファッションにおけるひとつの“カタチ”を提案。その根底には、ヨーロピアンカジュアル、スポーツシックという、相反するアプローチの融合があり、それこそがブランドの哲学を表しています。そのアイデンティティはこの一枚にも。一見普通のボーダーのカットソーですが、ネック周りは微妙なハイネック。着丈もやや長めでアームは逆にちょっぴりタイトに設定しています。その随所に感じるエスプリが、シンプルなアイテムながらも魅力的に見せてくれるのです。様々な才能が織りなすアイテムのひとつひとつに、改めてファッションの楽しさや自由さ、そして発展性も感じずにはいられません。カットソー¥9,200 [ウェア ザ フィロソフィ] TEL 03-5428-1894

TAGS:
 daily STANDARD一覧に戻る

pickup JOURNALS