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WHITEHOUSE COX

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英国職人たちの誇りをこの革小物に見る

“ジャパンプライド”。そのワードは、世界中のアイテムが世の中に溢れ、能率が優先されるモノ作りが大半を占める今だからこそ、より魅力的に映ります。宇宙ロケットを飛ばす唯一無二の部品を下町の町工場が作り、世界の最先端ブランドがジーンズを作るために日本のデニム生地を使う。その実情に、我々の誰もが強い誇りを抱くはず。ただ、その光景は日本だけのものではありません。英国においてもリスペクトすべき職人の魂は根強く残っているのです。WHITEHOUSE COXもそのひとつ。ウォールソーンにある自社工場で働く人々は、ほとんどが熟練のベテラン、ないしは二世代にわたって技術を継承している者たちばかり。その事実からも、1875年創業の尊い歴史と実力のほどを理解することができるかと。当初は馬具や英国軍依頼のアイテムを作っていましたが、やがてはペットの首輪や旅行用バッグもラインナップに加わっていきます。そして、1970年代後半、アメトラの雄、ラルフローレンの依頼によりベルトを製作。その質の高さを聞き付けた世界中のセレクトショップバイヤーからオーダーが殺到し、いまやその実力を世界へと知らしめているのです。こちらで使用しているレザーは、ブランドの伝統ともいえるイングリッシュブライドルレザー。耐久性に優れた滑らかな仕上げは世界でもトップクラスの部類に入るでしょう。そのレザーは、10週間もの間、樹皮や種子といった天然の草木を使い丁寧に鞣され、深みのある色彩は天然の染料につけてじっくりと染め上げた賜物。カットや縫製にいたるまでを手作業で行っているのは、湿度や温度によって微妙に革の状態が変化するため。手間ひまはかかりますが、人の手によって仕上げた方がアジャストしやすいのです。その細部にいたるこだわりにこそ、彼らが世界中から愛される要因。その高尚なモノ作りに、英国プライドが垣間見えるのです。

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