SADDLE

BROOKS

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自転車の発展を陰ながら支えてきたサドル

「これがあればどこへでも行ける」。若かりし頃、自転車に大きな希望をのせ、額に汗かきながら必死にペダルをこいだ経験のある方は数多くいらっしゃるでしょう。バイク、車、電車に飛行機と、移動手段は多々ありますが、この乗り物は自分の意志があればガソリンや電気など必要ありません。しかし、それだけでは自転車が今も我々の隣に寄り添うことはなかったかもしれません。そこにスムーズな駆動や快適性が加わることで、価値を高め存在を誇示できたといえるでしょう。そして、その一連の流れに、英国の老舗サドルメーカー、BROOKSは常に関与してきたのです。1810年にドイツ人が生み出した足で地面をけって進む二輪車、ドライジーネや、1840年頃にスコットランドで誕生したペダルとクランクを車軸に結んだ機械など、自転車の起源は諸説語られています。しかし、より実用的な今の二輪車の原型といえるのは、1861年にパリで作られたヴェロシペ-ドと呼ばれるもの。BROOKSの前身、JB Brooks & Coの設立が1878年ですから、同社がいかに自転車の歴史と共に歩んできたかが分かります。そして、1882年に革新的なサドルの特許を出願するのです。パッド入りのコンフォートサドルは、当時の自転車乗りたちを驚かせたちまち虜にしていきました。ただ、挑戦の火は今もなお消えることはありません。それは、100年以上に渡り作り続けられているクラシックモデルのこのB17からも伝わるはず。体をバランスよく支える面のサイジングには同社の長年の経験が凝縮され、ブラックのスチールフレームや小さな鋲の数々には長い歴史を感じさせます。ヒップへのフィット感は抜群で、ランドナーやスポルティーフといったツーリングモデルの自転車にはベストなサドルといえるでしょう。そしてまた世界のどこかで同社のサドルは、多くの人々を縁の下から支えていることでしょう。その快適さは、我々がまた自転車に跨る理由になっているはず。同社が歩みを止めない限り、自転車はこの先もずっと我々の相棒であり続けることでしょう。

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