CHAIR

CLARIN

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現代チェアのシンボリック的存在

ヨーロッパなどで人々の生活に深く浸透していた椅子は、社会的地位や権威の象徴として意義深いアイテムでした。位の高い物は華美な装飾が施されたものに座り、自らの存在感を誇示していたのです。しかし、フランス革命以降、権威と切り離されるようになった椅子は、様式美から機能美へとその存在意義を変えていきます。手工芸の復興を目指した英国のアーツ・アンド・クラフト運動や、有機的な曲線をもつ様式を生み出したアールヌーボーなど、後のデザインに大きな影響を及ぼした運動もさらなる追い風となったことは想像に難くありません。それが、スタッキングやフォールディングといった概念を生み出すきっかけにもなったのではないでしょうか。アメリカに居を構えるCLARIN社の椅子は、そのフォールディングチェアの代表格としてよく知られています。機能性と効率性の結実。その影響力は、N.Y.のマジソンスクエアガーデンをはじめ、スタジアム、コンベンションセンター、病院、学校など様々なパブリックスペースで使用されていることからも容易に想像できるはず。中でもこちらは、弾力のあるクッションとアームを備えたモデル。同社の特徴でもあるフレームの両端をラウンドさせたダブルロールドスチール製で、Xフレーム構造は、抜群の強度と耐久性を実現させました。脚の先端部分には、耐久性を高めるとともに床の擦り傷を防ぐ特殊加工を追加。椅子同士を連結できるはめ込み式サイドフレームもポイントといえるでしょう。椅子の歴史においても重要な意味をもつこちらは、これからも様々なシーンで活躍してくれるに違いありません。

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