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HASAMI

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庶民と陶器の距離を縮めた価値ある工芸品

車、テレビ、携帯電話などなど。これまで、私たちに衝撃をもたらし、日常に欠かすことのできないアイテムへと発展していったものは多々あります。その革新的技術の結晶に、誰もが胸を躍らせたものです。が、ネックはやはり高額なプライス。物欲に火が付いたとしても、その金額を目の当たりにして財布を引っ込めた人は多々いらっしゃったことでしょう。その壁を取り除くべく、多くの企業が技術を高めながら広く社会に浸透するよう研磨を積んでいるのです。陶器もまた同様で、今でこそ普段の生活でよく目にするモノですが、江戸時代は限られた人のみが楽しむことのできる高級品でした。その壁を取り除いたのが、長崎県の波佐見町で400年もの間作り続けられる波佐見焼。広く庶民に受け入れられたのは、何もプライスだけではありません。長く愛用できる、丈夫で扱いやすい特性にこそ大きな要因があるのです。その遺伝子を継承し、今の空気感を取り込みながら新たな提案を打ち出しているのがHASAMI。“道具”をコンセプトに2010年よりスタートした同ブランドは、陶器を大衆食器として広めた原点を見つめながら、身近でいつまでも寄り添っていけるモノを製作しています。その特徴が、ご覧のように鮮やかなカラーやフォルム。そのテーマは、60年代の米国を象徴する古びたダイナーにありそうなモノなのだとか。安定した色を出すためには、釉薬の混成バランスや焼き加減がモノを言いますが、それを実現しうる職人の技術はまさに出色。しかも、スタッキング機能も考えたフォルムで、重ねた時に表れるアウトラインの直線美も魅力の一因に。その身近にして偉大な伝統工芸品。伝統を重んじながらも新たなアプローチにより現代へと馴染ませたこちらのアイテムは、波佐見焼誕生から数百年経っても親しまれているように、今後私たちの隣にいつまでも寄り添っていくことでしょう。 [MARUHIRO] TEL 0955-42-2777

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