SUZUGAMI

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“叩く”ことで自由を手にした錫の板

幼き頃、私たちに楽しさを提供し想像力をもたらしたのは折り紙だったのではないでしょうか。当時の記憶がおぼろげでも、自在に形をかえ、様々な表情を描き出す折り紙の楽しさと似た感覚を、このすずがみと出会うことで思い出すかもしれません。すずがみの生みの親であるシマタニ昇龍工房は、富山県高岡市に居を構え、“りん”と呼ばれる仏具を専門に製造する工房。一枚板から金槌を何度も叩くことで椀状に変形させるりん作りの工程から派生し、このユニークなアイテムは誕生しました。素材はというと純度100%の錫で、5ミリ程の厚さのものを何度も叩いては圧延を繰り返し、一枚の薄い板へと仕上げられます。素材の特性とその薄さから、曲げては伸ばし、伸ばしては曲げることが可能なこちらは、時に小物入れ、時に料理の小皿にと用途も実に様々。そこへ施された繊細なデザインは長年培ってきた“叩き”の技術の賜物と言えるでしょう。ちなみにこちらの“さみだれ”は、長雨の跡が地面に残った様子をイメージして描かれているとか。古くから伝わる技術を礎に、そこから発展させ生まれたすずがみ。私たちはそこに、伝統工芸の未来と可能性を感じずにはいられないのです。すずがみ(さみだれ)¥2,500 [Spiral Market] TEL 03-3498-5792

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