REBIRTH PROJECT SPECIAL INTERVIEW

ストリートエシカルの発信地にかける想い

写真:柏田テツヲ 編集:Mirror カバーデザイン:菅谷幸生
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ストリートエシカルの発信地にかける想い

25年間ものあいだ、原宿で「地球に命を与える」をコンセプトにお店を構え続けてきたGIVE LIFEと伊勢谷友介氏が代表を務め、「人類が地球に生き残るためのプロジェクト」をコンセプトに様々な取り組みを行うREBIRTH PROJECTが手を組んだプロジェクトがこのたび始動。その一環として、今年10月にGIVE LIFEのショップをリニューアルオープン。両者が共鳴するテーマの”エシカル”を体現する居場所ともなったこの場所に、込められた想いとは。今回は特別にREBIRTH PROJECTの主要メンバー3人に話を聞いた。

GIVELIFE x REBIRTH PROJECT

エシカルな活動を流行りにするのではなく、文化にしていきたい。

ーまずはじめに、REBIRTH PROJECTといえばさまざまな社会貢献活動を行うことで知られていますが、現在は具体的にどんな活動をされているのですか?

伊勢谷:そうですね。衣食住にまつわることをそれぞれ事業化して、プロジェクトにしています。

龜石:僕の方で、まず食の部分に触れさせてもらうと、まずフードロスという問題があります。現在の日本では、単純に食べ残しや販売システムに関する規定から外れてしまったモノに対する廃棄がとても多く、その量は平均して生産量の1/3を占めるんです。そしてそこにかかるコストは年間で約70兆円。これって数字としても大きな問題ですし、世界中で食料を必要としている人へ援助している量の約半分ほどなんですね。そうした問題を目の前にして僕らは、まず高知県で発生した廃棄食材を一般市場ではなく、企業の社食などで活用してもらおうと考えた。そこから得た利益に関しては、また高知県へ戻し、フードバンクというシステムの中で子供たちの未来につながるボランティアなどの活動に役立ててもらうようにしているんです。こうしたプロジェクトがいずれは一つのビジネスモデルとなって、大きな社会問題も同時に解決していくと考えています。

大釜:僕の方からは衣の部分として、全日本制服委員会という名のプロジェクトについてお話させていただきます。企業の制服やユニフォームというのは、どうしても価格競争の渦に飲まれてしまい、生産側にもその影響が及んでしまうんです。一方で依頼している企業側としても買い換えるサイクルが早まり、負のスパイラルが生じてしまっています。そこで僕らとしては、企業からのヒアリングを通し、よりアイデンティティを感じられ、なおかつエシカルな素材にこだわったモノ作りを行っていこうと考えているのです。2020年の東京オリンピックまでに1000万人の制服をエシカル化することを目標にしています。

龜石:住に関しても、現在大塚家具さんとの取り組みで、使われなくなった家具に新たな価値を与えるようにリサイクルの新しい形を探る活動も行っています。これらはニューリサイクルという名で新たなプラットフォームとして、様々な団体や企業が賛同してくれるようなシステムともなっています。

ーありがとうございます。そんな活動の中で今回の取り組みを行うこととなった、きっかけを教えていただけますか?

大釜:このGIVELEIFEというお店自体は、25年前にこの原宿に誕生して以来、一貫して変わることなく”エシカル”をコンセプトに様々なカルチャーを発信してきました。そしてその翌年にはPIED PIPER(龜石太さんと二人の兄が手掛けた渋谷・並木橋の小さなショップ)もオープンし、そうしたタイミングもあって、共に共鳴し合うテーマを志す同士、自然と協業を行うこと決まりました。

龜石:REBIRTH PROJECTに関して言えば、伊勢谷と出会い、共に映画を作ったりする中で親交が生まれ、少しずつREBIRTH PROJECTとして活動をするようになっていきました。僕らとしてはその活動を通して、社会全体を対象にしていく中でどのようにして継続的な未来を創っていくかを常に考えていたんです。そして現在もプロジェクトの核となっている”リバースヴィレッジ”が大きなコンセプトになっていたんです。もちろん慈善事業としてではなく、しっかりとしたビジネスとして捉えながら。はじめはTシャツ作り、それからLee Japanとの協業でプロダクトの再生事業を行ったりしてきました。それはエシカルなどの言葉が生まれる前の時代でした。そんな取り組みを様々な視点から行っていく中で、GIVELIFEの代表である早川さんとお会いする機会があり、エシカルな活動を流行りにするのではなく、文化にしていきたいという話しをすることができて、その先駆けとしてお店作りから始めたというのが、今回の取り組みですね。

GIVELIFE x REBIRTH PROJECT

そのためにはコミュニティとして発展させていく。

ー龜石さんがエシカルな取り組みに目覚めたきっかけはなんだったのでしょうか?

龜石:これは伊勢谷ともずっと話していたことでもあったのですが、過去の題材をテーマにして映画を作っても、それって未来へのメッセージにしかならないんですよね。未来を語ったところでどうしても社会課題から逃れられないということに気付いてしまった。その先送りになった問題というのは間違いなく自分たちの世代やその子供の世代に影響していくと思うんです。個人レベルではやれたとしてもそれが社会レベルになるとなかなか実現できない。そこにジレンマを感じたんです。概念的な問題だからこそ、僕らは形として示す必要があるなと。

ーそうした想いが現在では区や地域のコミュニティを巻き込んだ活動としても大きく発展していますよね。

龜石:エシカルという言葉が現在のように認識される以前から、その概念自体は日本人は皆持っていたと思うんです。そこからどう文化として広げていくかを考えたときに、衣食住にまつわる人たちも含め、沢山の賛同を得ながらコミュニティとして発展させていく方法が正しいと思ったんです。それが例えばファッションの分野だったり、こうして雑誌などの紙面を通してでも良いと思うので。

ーそういった意味ではポートランドは先進的でもあるんですかね。リビルディングセンターのようなショップもありますし。

伊勢谷:ポートランドには以前から興味があったので、数年前に行きました。廃材や古材を売るリサイクルショップですよね。それを日本でもやってるんですか? それは知らなかった。そうした活動を地道にやられているというのは良い事ですよね。

ーまた原宿という街を拠点としている以上、この街にやってくる沢山の若者にもこの取り組みを知ってもらうための工夫なども考えていたりするのですか?

伊勢谷:まだ拠点ができた段階で、本当にやりたいことの本筋はこれからなんですよね。実際エシカルという言葉とその意味を知っている人というのは、国民の10%ほど。だからこそこまだまだやれることは沢山あって、お店奥のスペースや庭を拡張したりして、ユナイテッドピープル(映画配給会社)が配給している地球全体の課題や問題を取り上げたドキュメンタリームービーなどを流せるようにしてみたり、自家栽培のコーヒーを飲みながら語り合える場所として使ってもらったり、関心を持った人にはすぐにでも洋服や雑貨が手に入るような空間にしていきたいですね。分かりやすく言うとここを井戸端会議のできるお店にしたいんです。そこから僕らのことやエシカルについて知っていってもらうきっかけになればいいなと。

GIVELIFE x REBIRTH PROJECT

ここは情報交換のハブスポット的な場所。

ー今後はこちらのお店を通してワークショップなどの開催も考えているとお聞きしましたが、そのあたりはいかがでしょうか?

大釜:そうですね。なにかしらの形でワークショップもやっていきたいなと思っていますが、直近ですとライフスタイルの動きとして食のイベントを考えています。

ー2020年には東京オリンピックの開催も決定して、ますます海外からの旅行客が増えそうですが、そのあたりは何か考えていることはありますか?

龜石:特に特別な催しや施策は今のところは考えていません。あくまでも「俺たちいいことやってるだろ?」っていうのではなく、まずはこの場所を気に入ってもらうことが大事ですね。そこから興味のある人に少しずつ僕らのことを知ってもらえればというスタンスなので。ただ最低限の英会話などは身につけていかないとなとは思っています。

ー今回のリニューアルに際して、店頭に並ぶセレクトのラインナップなどになにか変化はあったのですか?

大釜:お店として扱う製品が大きく変わるということはないですが、エシカルなプロダクトは今以上に取り揃えていきたいですし、今後は僕らの思いがダイレクトで伝わるようなオリジナルの商品などもより多く扱っていきたいなと思っています。

ーお店作りに関して、全面的にリニューアルをされていますが、既存のお店との大きな違いはなんだったのでしょう?

龜石:まずは原点に立ち返ったんですよね。資源や食料など有限な環境の中でいかにクリエイティブなことを継続させていくのかというテーマのもと、僕らは廃材を使用してお店を作っていこうと思ったんです。それら廃材は全てもともとGIVELIFEの内装などに使われていた什器を壊して、再生させたもの。なので新材と呼ばれるものはほとんど使用していないんです。メンバーの手で作り上げた完全DIYな空間ですね。

伊勢谷:原宿っていう街が、内側にいても外から見ても、とてもマテリアルなもののように感じられたんです。だけどそれだけでクールなものを表現するのって少し違うなって思ったんですよね。今を生きる人間として、ものづくりの背景をしっかりと伝えられるギミックを加えないとクールじゃないって感覚を大切にしたかったんです。そしてもう一つ、お店の役割として、もちろん利潤を追い求めながらも、原宿をエシカルタウンとして発信できるよう、その拠点を作りたかったんです。ここではエシカルについて関心のある人が集まってくれば、素敵なブランドや作り手をどんどん紹介していくつもりなので、いうならば情報交換のハブスポット的な場所ですよね。

ー今後の展望に関してはどんなイメージをお持ちですか?

龜石:伊勢谷も話していた通り、まだまだやれることだらけなんですよね。それを踏まえた上でまずはこの取り組みを継続させること。ただし、無理なしない。けれど果敢にチャレンジはしていく。それが僕らの仕事をしていく上での姿勢にもなっていくんと思うんです。

GIVELIFE x REBIRTH PROJECT
GIVELIFE x REBIRTH PROJECT
GIVELIFE x REBIRTH PROJECT
GIVELIFE x REBIRTH PROJECT
GIVELIFE x REBIRTH PROJECT
GIVELIFE x REBIRTH PROJECT
GIVELIFE x REBIRTH PROJECT

店内は白を基調にした空間に全て廃材から作られたという様々な木製の什器が馴染み、居心地の良いナチュラルな雰囲気が漂う。店内には、国内外を問わずコンセプトに共鳴したブランドや作家のプロダクトが所狭しと並ぶ。GO WESTやnanamica、THE NORTH FACEなどのセレクトを始め、オリジナルアイテムやREBIRTH PROJECTと別注したPorter ClassicやKATHARINE HAMNETTのアイテムなども取り扱われる。店頭では挽きたてのコーヒーも飲めて、店前にはくつろぎのスペースも用意させる。今後はギャラリースペースの併設も考えているそうで、今後のGIVELIFEとREBIRTH PROJECTの取り組みから目が離せない。

GIVELIFE(ギブライフ)
東京都渋谷区神宮前3-18-21
03-3404-1348
営業時間:12:00〜20:00(平日)、11:00〜20:00(土日祝)
定休日:水曜
http://givelife.me

about THEM

Actor
伊勢谷友介

いせや ゆうすけ
1976年東京生まれ。東京藝術大学卒業。学生時代よりファッションモデルとして活躍し、映画「ワンダフルライフ」で俳優デビュー。現在までに多くの話題作に出演し、国内外で活躍する日本を代表する俳優、映画監督として知られる。またもう一つの顔としてREBIRTH PROJECTの共同代表を務め、「人類が地球に生き残るためにはどうするか」というテーマのもと、様々な視点から衣食住にまつわるプロジェクトを行う。

Film Director
龜石太夏匡

かめいし たかし
1971年東京生まれ。東海大学在学中より俳優として活動しながら、脚本も書き溜める。その後、二人の兄が手掛けるアパレル事業に参画。その後、伊勢谷友介との出会いもあり、本格的に脚本家へ転向。2002年には二人の初の共作となる「カクト」が公開。その後も伊勢谷友介との親交は続き、2009年に共同経営者としてREBIRTH PROJECTを設立。現在も脚本家との二足の草鞋で精力的に活動中。

Manager
大釜 翼

おおかま つばさ
1990年東京生まれ。大学卒業後、株式会社TOKYO BASEのセレクトショップ業態STUDIOUSのEC事業部を経て、2016年にREBIRTH PROJECTへ入社。今回のプロジェクトを機に、物販事業を展開するREBIRTH PROJECT STOREの代表取締役に。主にGIVELIFEやオンラインストアを通してREBIRTH PROJECTの各プロジェクトに携わる。


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