YOUTH OF CULTURE : CASE STUDY 01

PUBLIC LABO BLOCK PARTYが示す
都会型フェスの新たなカタチ。

写真:柏田テツヲ 編集:Mirror
カバーデザイン:菅谷幸生
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PUBLIC LABO BLOCK PARTYが示す<br />都会型フェスの新たなカタチ。

|新時代カルチャー白書

いつの時代にもその時代を象徴とする人やモノ、そして文化があった。ファションやアート、音楽、スケートなどが隆盛していくシーンの裏側には必ずストーリーがあった。様々なメディアや実体験を基に体感していくことで時代とともに姿を変えていくカルチャーは、常にユース世代から端を発し、生まれゆく次世代のうねりとなっていったように思う。既存の各シーンが成熟し、SNSの存在も無視できぬ昨今。過去や現在で停滞することなく、今後もスタンダードになりうる新時代のカルチャーを掘り起こすべく立ち上がった新連載。姿なき新たなカタチを追う。

|都会型フェスの新たなカタチを創造する

今年5月、並み居る大型フェスに負けじと、フェスシーズンの幕開けに相応しい話題と盛り上がりを魅せたブロックパーティー「PUBLIC LABO BLOCK PARTY」が開催された。主宰はストリートブランド〈MAGIC STICK〉のデザイナーを務める今野直隆氏率いるPUBLIC LABORATORYの面々。アメリカ、ロンドン、アジアと世界各国から今を時めくフレッシュなアーティストが一堂に会した本イベント。ここでは、パーティーレポートと共に次世代のフェスがあるべき姿として開催された、「PUBLIC LABO BLOCK PARTY」への想いを今野氏に訊いてみた。

PUBLIC LABO BLOCK PARTY

良い音が流れて、格好いいヤツらがいる空間を、改めてもう一度作りたかった。

——今回「PUBLIC LABO BLOCK PARTY」を開催しようと思ったきっかけはなんだったのですか?

『ニューヨークにパートナーがいることもあって、昔から現地のクラブへよく遊びに行っていたんです。その時に日本との絶対的な違いを感じたんです。盛り上がり方や客層、雰囲気など全てですよね。そうした時差を埋められるイベント、パーティを日本でできたら面白いなと思ったことが今回の「PUBLIC LABO BLOCK PARTY」の発端でした。時期もゴールデンウィークで他にも音楽イベントが開催されていて国内に外国人も多く来られていたので、このタイミングしかないなと』

——ちなみに今回のイベントで”ブロックパーティ”という名を冠しているのも興味がありますが、なにか理由はあるのでしょうか?

『これ実は特に大きな意味はないんです(笑)。もちろん野外で行うHIPHOPパーティなので、フェスっていうよりはこっちの方がしっくりくるかなとは思っていたのですが、どちらかというとその前のPUBLIC LABOというネーミングの方が意味合いとしては強いですね。読んで字の如く”公での実験”の場として始めたかったんです』

——またイベントの大きな特徴となるような、開催にあたり強く意識した部分などはありますか?

『他のフェスと比べてお客さんの年齢層をあえて限定的になるようにしています。例えば通常のフェスであればファミリー層も多く、子供も楽めるようなイメージですが、今回の「PUBLIC LABO BLOCK PARTY」では18歳以上という制限を設け、ある程度人数も限定しています。1万人を超えるようなイベントになると、ノイズも増えて純粋に音楽を楽しみたい人以外も来るようになるだろうし、クールじゃない人も増えてしまうと思うんです。自分たちが昔見てきたイケてるパーティって、クチコミで広がって、良い音が流れてて、格好いいヤツがいっぱいいるような空間だったと思うんですよね。今改めてそういった場所をもう一度作りたかったんです』

PUBLIC LABO BLOCK PARTY
PUBLIC LABO BLOCK PARTY

自分たちの力で切り開いていきたいという想いは強かった。

——これまでにご自身で主催、あるいはブランドを通してのオーガナイズパーティも行ってきていますが、今回、大幅にスケールアップした”ブロックパーティー”の開催で苦労した点などはどんなところでしょうか?

『今回のような大規模なパーティは初めてのことだったので、全てが苦労の連続でした。アーティストのブッキングからサポート、会場の運営、集客など細かいことを言えばきりがないですが、逆に今までこうしたHIPHOPに特化した野外パーティがあまりなかったので、自分たちの力で切り開いていきたいという想いは強かったですね。とはいえ日本でのパートナーがテキパキ切り盛りしてくれたので、本当に心強かったです』

——今回その豪華な出演陣も話題になりましたが、このあたりのアーティストのブッキングも全てPUBLIC LABORATORYで担当されたのですか?またどういった意図を持って今回の人選を行ったのでしょう?

『チームの皆で案を出し合い、運営全てを自分たちで行いましたが、基本は先ほども話したニューヨークのパートナーが中心になって動いていました。人選は国内だけじゃなく世界各国で活躍するフレッシュなアーティストを日本に呼びたいという想いがベースとなっています。今回アーティストの発表が遅れてしまったのですが、その裏にはキャンセルの出てしまったアーティストがいたりと、実は紆余曲折も色々あったんですよね。でも最終的には、今っぽいラインナップになって満足しています』

——今野さんご自身はこれまでにフェスや屋外でのパーティとはどんな関わり方をされていたのですか?また開催場所を晴海埠頭にした理由はなんでしょう?

『昔から音楽が好きだったので、フェスにはよく遊びに行っていましたし、実際に色々な国や地域のパーティなども見てきているので、フェス自体は馴染みがありました。ただこうしたカタチでのイベントを僕らの好きなHIPHOPでやるとなると色々難しい部分はありましたね。地方や山のある地域で開催するのもきっと違うし、ビーチっていう感じでもない。だったら東京出身で、東京で生まれ育っている僕らの強みを活かし、東京で開催しようと思ったんです。まずは東京から発信して盛り上げられたらいいなと思い、今回の開催場所を晴海埠頭にしました』

PUBLIC LABO BLOCK PARTY
PUBLIC LABO BLOCK PARTY

好きだったカルチャーが“かっこいい”ものとしてジャンルや垣根を越えて認知されてきた。

——HIPHOPにも深く精通する今野さんが、今後ご自身でオーガナイズするパーティにも呼びたいと思える、今気になるアーティストはいたりするのですか?

『死ぬほどいますね(笑)。昔からダンスミュージックやHIPHOPを中心に聞いてきましたが、今は特に若いアーティストばかり聞いています。昔に比べてアーティストを探す行為自体が手軽になっていますし、SoundCloudやSNSなどを見れば山ほどいますからね』

——やはりHIPHOPも今若いアーティストへの期待値は大きいですか?

『まず熱量が違いますよね。往年のビッグアーティストももちろん好きですし、クラブなどでかかればアガるんですけど、それ一辺倒になってしまうと面白くないなと。あと今のHIPHOPに限らず若いアーティストの子たちの音楽って本当に多様性に優れているんですよね。今までにない感性があって、全く新しいものなんですよね。ファッションに関しても、カニエやロッキーがパリやニューヨークのランウェイなどで最前列に座るような時代になりましたよね。それって僕らが好きだったカルチャーがようやく”かっこいい”ものとしてジャンルや垣根を越えて認知され始めてきたことなのかなと思います』

——来年以降の『PUBLIC LABO BLOCK PARTY』の開催も視野に入れているのですか?

『もちろんです。2020年に東京オリンピックの開催が決定して、すでに多くの外国人が日本に来ていますし、これから更にグローバル化する”日本発信”のモノやコトが注目されていくと思うので、そうした時代の感覚と併行して「PUBLIC LABO BLOCK PARTY」も盛り上げていきたいですね。やっぱり日本人だけで盛り上がるよりは、国境を隔てることなく巻き込んでいくことが一つのムーブメントになっていくポイントだとも思っています』

PUBLIC LABO BLOCK PARTY
PUBLIC LABO BLOCK PARTY

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about him

Creative Director
今野直隆

〈NEXUSVII®(ネクサスセブン)〉の立ち上げに参画後、多数のアパレルデザインサポート、イベントなどを精力的に行い、2011年に自身のブランド〈MAGIC STICK(マジックスティック)〉をスタート。年々国内外で人気を博す自身のブランドと並行し、都内最大規模のブロックパーティー「PUBLIC LABO BLOCK PARTY」を主宰する。


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