日常に彩りをあたえるストアガイド

Waltz
アナログへの原点回帰。

写真:TRVS  文:野村優歩
BOOKMARK
Waltz<br />アナログへの原点回帰。

アナログへの原点回帰。国内でも希少なカセットテープ専門店。

中目黒の中心エリアから少し外れた裏路地に佇んだショップ『Waltz(ワルツ)』。開放感のあるファサードに重厚感のある漆黒の鉄扉が印象的なここは、良質な”アナログ”をキーワードに貴重なカセットテープやヴァイナル、国内外のヴィンテージ雑誌、ラジカセなどが揃う専門店だ。繁華街や大通りに面することなく、ひっそりと構えたお店の場所からも既に名店を匂わす薫りが漂ってくる。

Waltz
Waltz
Waltz
Waltz
Waltz

オーナーを務める角田さんは、かつて「アマゾン」でリテイル部門の事業部長を長年務めていた経歴を持ち、流通や音楽業界には明るい人物。昨年、昔からの夢でもあったという自身のお店をオープンさせたのだという。しかし、なぜ今カセットテープなのか。そして順風満帆であったはずの環境から脱却したその真意を訊いてみた。「時代の流れとともに革新的な技術の進化とインターネットの普及によって、前職では大きな躍進を体験できました。しかしその反面自分が好きなアナログへの価値観が一般的に排他的になっていくようにも感じられました。そんな中で、その反動を逆手に、今自分のやりたいコトにチャレンジするしかないと一念発起したんです」。

Waltz
Waltz
Waltz
Waltz
Waltz
Waltz

お店を始めた当初はほとんどの商品が角田さんの私物コレクションから出品されたもの。そのどれもが今となっては入手困難な秘蔵版のレコードやカセットテープにネットでは高値で取引される貴重な雑誌ばかり。今でこそ過去の経験を生かし、国内外を問わず太いネットワークを頼りにバイイングもしているというが、そのクオリティは一定を維持している。ソフトだけではなくラジカセやウォークマンなどの昭和世代にとっては昔懐かしいハードも豊富に揃い、さらにその確かな音質を視聴するスペースも設けられ、気が付くとつい長居してしまいそうな居心地の良い空間が広がる。

Waltz
オーナーの角田さんが今でも良く聞き返すという名盤3枚をリコメンド。(左) COCTEAU TWINS/GARLANDS、(中) THE SMITHS/THE WORLD WON’T LISTEN、(右) RUN DMC/RAISING HELL

流通だけではなく、音楽への造詣も深い角田さんならではの品揃えは、音楽関係者や国内外のアーティストからも絶大なる支持を得る。著名な海外アーティストが来日した際には頻繁に訪れ、その度にお目当のカセットテープを大量に買っていくこともあるそう。時代の大きな兆候は大量消費していく時代の潮流とは逆行し、リトルプレスのZineやカセットテープをローカルから発信する若者が増えているという。こうした動きは決して大きなムーブメントとならずとも、各国たる根を張って生き続けていくのだろう。

Waltz
Waltz
Waltz

角田さんの語った話の中でもう一つ印象的だった言葉がある。「デジタル全盛のこの時代になぜ、アナログなのか。その答えとして僕はいつも水道水と天然水の話をするんです。日常を生きていく中で水道水で満足できる人もいれば、天然水でないとダメな人がいる。コーヒーだってそうです。大手のチェーンコーヒー店やコンビニの缶コーヒーを好む人もいれば、サードウェーブ系のように丁寧な抽出によって紡がれたコーヒーを偏愛する人もいる。決してマイノリティーだからといって、そのモノが廃れることはないんですよね」。

Waltz
東京都目黒区中目黒4-15-5
OPEN 13:00-20:00
TEL 03-5734-1017
www.waltz-store.co.jp


FOLLOW US

pickup JOURNALS