LifeWear Simple made better 03

日常を豊かにする服とモノの話。
山脇道子(ファッションスタイリスト)

写真:松原裕之 編集:kontakt
カバーデザイン:菅谷幸生
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日常を豊かにする服とモノの話。<br />山脇道子(ファッションスタイリスト)

Interview with Michiko Yamawaki (Fashion Stylist)

山脇道子

雑誌や広告、タレントの衣装など、スタイリストとして幅広く活動する山脇道子さん。今年からルームウェアブランド《Priv. Spoons Club》のディレクターとして、もの作りにも携わる彼女のワードローブには、ブランドディレクターとスタイリスト、双方の視点から選び抜いた“いいモノ”が揃う。これまで数多くの洋服に袖を通してきた山脇さんが想う、生活を豊かにする服とモノについて。

フラットな視点から生まれるワードローブ

「スタイリストとして独立する前から、好きなテイストはそんなに変わっていないと思います。もちろん、失敗もたくさんしてきたし、時代ごとの流行に飛びついたりもしてきたけど、仕事柄多くの洋服に袖を通してきて、自分にとっての“いいモノ”をようやく理解できるようになってきた。今は余分なものがそぎ落とされて、自分の生活に欠かせないアイテムだけが残っていますね」。そう話す彼女のワードローブは《HERMÈS》や《GIVENCHY》、《UNIQLO》からヴィンテージアイテムまでが混在する。「ブランドにこだわることはない」という山脇さんのモノ選びには、プロダクトに対するフラットな視点があった。

山脇道子
《Saint Laurent》のライダースジャケット
デザイナーにエディ・スリマンが就任したファーストコレクションのもの。ライダースは「男性らしいものと女性らしいものをミックスするのが好み」という彼女の定番アイテム。細身のシルエットと上質な革に惹かれたそう。

山脇道子 HERMÈSのバーキン《HERMÈS》のバッグ
今年ようやく手に入れたというバーキン。一生使えるクオリティと普遍的なデザインが魅力。「30歳の時にはまだ早いと思ったけど、今なら頑張って持ってもいいかなと思って」。
「若い頃からブランドへのこだわりは薄い方ですね。もちろん、ラグジュアリーブランドのアイテムも買うけど、若い世代に人気のアヴァンギャルドなブランドのものでもいいと思ったら取り入れます。あとは、自分も洋服を作る側になってみて、素材や縫製、シルエットなど、プロダクトとしてのクオリティに重点を置いて見るようになりました。自分でパジャマやリネンを作ってみて思うのは、良質な素材を使って、いい工場で量産しているブランドはすごく質の高い物作りができているということ。例えば《UNIQLO》のアイテムをほかのブランドが同じ素材・値段で出せるかって言ったら絶対にできない。良質な素材を使っているのに、価格を抑えられるのはすごいことだなと改めて感じましたね。もちろん《HERMÈS》のバーキンなど、高級品への憧れもあるけど、だからと言ってそれに固執しているわけではないんです。ブランドよりも、縫製、素材などの“作り”の方が気になりますね」。

昨年購入して、自身の新定番となったアイテムのひとつが《UNIQLO》のカシミヤセーター。「寒さしのぎに慌てて買ったんですが、カシミヤの暖かさとシンプルなデザインが気に入って本当に毎日のように着るようになったアイテムです。価格もお手ごろなので今年も色違いを買い足したほど。ほかに、《ACNE》のコートや《FUMIKA_UCHIDA》のブラウスも今年新しく仲間入りしました。クオリティに着目して着るものを選ぶようになると、綺麗なシルエットや色のものを良い状態のまま着続けるにはどうしたらいいんだろう?って、ケアの意識も変わってくる。洗いに関して言えば、ウタマロ石けんはすごくいい。部分洗い用なんですけど、ビックリするほどキレイに落ちるんです。肌触りの良いカシミヤのセーターやクリーンな白さを保ってくれる石けんは、日々、心地よい生活を送るのに欠かせないアイテムですね」。

山脇道子 UNIQLO LifeWear山脇道子 UNIQLO LifeWear

《ユニクロ》のカシミヤセーター
カシミヤ100%からなる贅沢な一着。「どんなスタイルにもフィットするシンプルなデザインと、ソフトな着心地が魅力」と山脇さん。カシミヤ特有の滑らかな肌触りで着心地も抜群。※カシミヤセーターは水洗いできませんのでウタマロ石けんは使用できません。
《ウタマロ》の石けん
1957年に発売され、今なお愛用者の多いロングセラーアイテム。通常の洗濯では落ちにくいガンコな汚れを落とす、部分洗い用洗濯石けん。黒ずみ、襟や袖、化粧品など幅広い汚れに対応する。※衣料品の選択表示に従って洗濯し、色落ちや変色が必要な衣料は目立たない部分で試し洗いし、色落ち変色するものには使用しない。

心地よい生活を支えるモノ

「私の場合、もの選びの視点は普段の生活の変化も大きく影響しています。例えば、食べに行くレストランや遊びに行く場所など、年を重ねることで行動範囲って変わっていくじゃないですか? その変化によって身につけるものも少しずつ変化している。私の場合、一番は食事。ランチやディナーに行く場所が変わって、食事に出かける時のマナーとしてのファッションを考えるようになって、それも洋服のひとつの楽しさだということに気がついたんです。若い頃は夜遊びに行くことも多くて、本当にその日、その瞬間だけかわいければいいっていうような考えだったんですけど、今はそうじゃない。仕事も遊びも、日々の生活が地続きで考えられるようになったことで、自分にとって必要なものが見えてきました」。

山脇道子 Christian Louboutinの靴《Christian Louboutin》の靴
「はいた時のフォルムが美しい。普段はなかなかはけないけれど、特別な日や食事に出かける際などによくはいています。本当に脚がキレイに見えるヒールですね」。
山脇さんは休日を東京以外で過ごすことが多いという。「最近は撮影でイタリアに行かしてもらうことがあって、そのままギリシャのサントリーニ島に行ってきました。仕事の出張ついでに行くことも多ですね。旅は私のライフスタイルにとってすごく重要で、心がすごく休まるんです。本当は仕事もしないで旅人になりたかったくらい(笑)。東京にいるとどうしても時間に追われたり、空き時間もリラックスできない性格なので、旅でパワーをもらって、また東京で頑張るというサイクルですね。やっぱり、仕事でもプライベートでも充実した時間を過ごすには、自分が心地いいと思うモノの存在ってすごく大きい。自分に似合うものや気分を上げてくれるもの、ストレスを感じさせないものを選ぶには、まずは自分自身を知ることが一番重要だと思うんです。有名無名や周りの評判じゃなく、自分なりの感覚で“いいモノ”と接していきたいですね」。
山脇道子 UNIQLO LifeWear山脇道子 UNIQLO LifeWear

《ジバンシィ》のストール
柄が気に入って購入したというストール。大判サイズなので、多様な使い方を楽しめる。山脇さんは夏も冬も季節を問わず持ち歩いているそう。
ヴィンテージのデニム
東京・中目黒のヴィンテージショップ『JANTIQUES』で手に入れたリーバイスのデニム。裾を太めにロールアップして穿くのが好みで、旅先で穿くことも多い一本。


【LifeWear Simple made better】
 ▷ 日常を豊かにする服とモノの話 Vol.1はこちら
 ▷ 日常を豊かにする服とモノの話 Vol.2はこちら

about her

Fashion Stylist
山脇道子

2004年、白幡 啓氏に師事。 2006年に独立後、女性誌や広告を中心に活躍する。シンプルな中にもエッジを効かせたスタイリングは、モデルやタレントからの支持も厚く、写真集やフォトブックなども多数手がける。本人が登場する特集記事や連載でも注目を集める。LOVABLE所属。


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