STATEMENT OF ONE’S WARDROBE

人気デザイナーが考える“個性の作り方”
#03 小森啓二郎(COMOLI Designer)

写真:濱田晋 文:黒澤卓也 編集:kontakt
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人気デザイナーが考える“個性の作り方”<br />#03 小森啓二郎(COMOLI Designer)
COMOLI 小森啓二郎COMOLI 小森啓二郎

オーセンティックな洋服から学んだデザインする意義

90年代のストリートが、ファッションにおける自由な価値観を与えた。しかし、このときはまだ、デザインすることに興味が持てなかったという。その心情には、デザインで何かを足すことよりも、削ぎ落とすといったシンプルナイズドなスタイルに、男らしさを感じるという、小森さんが持ち続けるメンズウェアに対しての価値観があったから。そんな彼が、本格的にデザインを意識したのは、大手セレクトショプに入社したとき。彼はそこで様々な洋服に触れることでデザインする意義を見つける。「文化服装学院のアパレルデザイン科を卒業した後は、大手のセレクトショップに入社し、企画部門に携わりました。会社は、ストリートとは無縁でトラディショナルな商材を取り扱う所だったので、最初こそ戸惑いはありましたが、オーセンティックなアイテムに触れていくことで、その伝統に裏付けされた高い品質に魅了されていったんです。それからというもの、様々な洋服を見ては、生地や縫製などを研究し、服作りを徹底的に学びました。なかでも英国メーカーの洋服が一番勉強になりましたね。《Barbour》や《GRENFELL》とか。こういった老舗ブランドに見受ける品質に意匠を凝らす奥深い服作りは単純な見た目だけでない格好良さや、僕にとってデザインする姿勢や意義みたいなものを与えてくれたと思います」

COMOLI 小森啓二郎

今までの経験を編集する

「私はストリートとトラッドといった自由と形式みたいなものに同時に興味を持ちました。どちらも本当に好きになったものだったので、自分が服を作るときはこれらを編集して作ろうと思いました。そうして生まれたのが《COMOLI》です。自分が一番好きな少しルーズなシルエットと、オーセンティックさながらの高い品質を与えること。これらのバランスを調整して美しく仕上げることが僕のデザインです。そして、時代を意識しながらも出来るだけ不変的なものを作るようにもしています。《COMOLI》は欧米から生まれた過去の物とは違う、本質的に今の時代のスタンダードになるべく服を目指して作って行きたいと思っています」

COMOLI 小森啓二郎

目的と意思を持った不変的なデザイン

小森さんのデザインは、経験で得た自身の好きなものを徹底的に編集すること。そこには物事をフラットな目線で取り入れながらも、作る洋服に対しては確固たる目的がある。そんな格好良くも姿勢ある洋服に、人は魅了され、納得する。時代や背景に固執せず、好きなものを不変的に残していく意思表示が彼のデザインであり、スタイルとなっているのだ。

【連載:人気クリエイターが考える”個性”の作り方】
   ▶︎ Vol.01 上杉美雪 (Stylist)「性差や国籍、年代を越えて」
   ▶︎ Vol.02 井伊百合子 (Stylist)「洋服と対峙して向き合う」
   ▶︎ Vol.03 小森啓二郎 (Designer)「ファッションを編集するという考え方」

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about him

Designer
小森啓二郎

1976年東京都生まれ。文化服装学院卒業後、大手セレクトショップに入社。10年間デザイナーとして経験を積んだ後、独立。2011年に自身のブランドを《COMOLI》を立ち上げる。 “全ての洋服の原型は欧米から生まれ、ある目的の為に作られた物である。”という考えの基、今の日本の気候に合う、日本人の体型に合った、上質でシンプルな日常着を展開する。


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