A CAFÉ GEEK

続「#喫茶部」
喫茶店を身につけて

写真:DAISUKE SHIMADA 編集:kontakt
カバーデザイン:菅谷幸生
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続「#喫茶部」<br />喫茶店を身につけて

過去2回にわたりフィーチャーした、喫茶店愛好家のモデル小谷実由さんによる「#喫茶部」。彼女が偏愛する喫茶4選と、友人でもあるフードエッセイスト平野紗季子さんを招いた喫茶放談から3ヶ月。「#喫茶部」の続編が届いた。

現在、伊勢丹で開催中のポップアップストア「平野紗季子の(食べれない)フード天国」。このなかで、アクセサリーブランド「Aquvii」の協力のもと、平野さんと小谷さんのコラボレーションとして、2人が惚れ込んだ東銀座の喫茶店《喫茶YOU》のグッズが販売されている。

#喫茶部
「平野紗季子の(食べれない)フード天国」

「単純に、いちごとかケーキがかわいいからグッズにしようというのとは、ちょっと違うと思ってます」(平野)

まずは、今回のポップアップストアそのものの事の始まりを、平野さんに伺った。

平野紗季子(以下、平野)「去年も伊勢丹で『平野紗季子の伊勢丹で八百屋』というのをやらせていただいたのですが、今年もお声をかけていただいて。ファッションフロアでのポップアップは食べ物が自由に扱えないので、じゃあいっそ“食べれない食べ物”を通して食べ物のことを愛そう、と開き直って今回の企画となりました」

本来、食べ物は消えたり傷んだりしてしまうものだが、会場にある食べ物たちは不変的だ。

平野「チョコレートの紙包みのスカーフやネオンサインのブローチ、お菓子のイヤリングは、消えてしまう食べ物たちへの愛おしい気持ちや美味しかった記憶を留めるための、メモリースティックのような、お守りのような存在なのかなと思います。全て消えてしまう食べ物をいかに心に残していくか、という試みです」

#喫茶部
ネオンサインのブローチ

「銀座一ロマンティックな存在のネオン管」(小谷)

このコンセプトのもと、小谷さんとのコラボレーションとなるグッズは生まれたのだ。そして話は、小谷さんが平野さんの番組でゲスト出演した際に、2人で《喫茶YOU》に訪れたことに始まる。

平野「『あのネオンサイン、ブローチにしたいくらいかわいいよね』『本当にそうだよね』っていう、素直な雑談が始まりでした。お店の入り口に掲げられた、グリーンの筆記体が輝く”you”のネオンサインが本当に素敵でふたりとも惚れ込んでしまったんです」

小谷実由(以下、小谷)「実物を見るずっとずっと前から、《喫茶YOU》のネオンサインが大好きで。慣れ親しんでいたネオン管の看板が、どんどんLEDに変わっていくなか、こんなにもお店の雰囲気に合っていてロマンティックなネオン管の存在は、もうここにしかない!」


初動の想いがカタチとなったブローチは、赤と緑の2色で展開している

平野「赤を黄色い服につければオムライスカラーだし、緑を白につければメロンソーダカラーだー!と思って嬉しくなって。じゃあ、その配色でハンカチも作ろうと。オムライスにそっくりなバッグは小谷君の発想です。オムライスクラッチ、かわいいよね」

小谷「とにかく《喫茶YOU》のオムライスが愛おしすぎて(笑)。小脇にオムライスを抱えて銀ブラしたいなぁ〜という妄想から生まれました。ハンカチは女性のたしなみなので何枚あっても良いし、ブローチやバッグは派手でちょっと…という人にもオススメです」

#喫茶部

ネオンサインの刺繍入りハンカチ(左)とオムライスクラッチ(右)

食べ物の全てを愛する平野さんと喫茶店に恋をする小谷さん。それぞれの想いがカタチとなったこの企画で、2人は何を感じたのだろうか。

平野「食べ物の愛し方って、本当にいろんな側面があると思います。食べる、作る、以外にも、纏う、描く、歌う、読む、想う…。だけど私は、アートやファッションがフードを引き摺り回すようなことは絶対したくないです。つまり、食べ物が単なる道具になってしまうこと。やっぱり食にまつわる表現の中心には、必ず、食べ物を食べた時の純粋な喜びや幸せがあって欲しいし、それに触れることで最終的には日々の食事が、目の前の食べ物が、もっと愛おしくなるような、そうやって食べることそのもの自身に還元されるようなことを、これからもやっていきたいなと思います」

小谷「喫茶店をこれまでとは違う面で楽しむ試みは、すごく面白いし新鮮でした。私はファッションが大好きで、それぞれの喫茶店に何を着ていくかを考えることが楽しくて仕方がない。喫茶店を好きになったきっかけでもあるし、今でもそれが私の喫茶店を楽しむポイントのひとつなので、このようにファッションに近いカタチで実現できたことがすごく嬉しいです。この《喫茶YOU》グッズをきっかけに、喫茶店に興味を持ってくれたらいいなとも思います。でも、喫茶店を流行らせたいわけではなくて、今のままで、お店が始まったときのままで、一人でも喫茶店が好きだと言う人がいる限り、ずっとそっと寄り添ってくれる存在であって欲しいと思っています」

#喫茶部

同世代でありながら、異なるジャンルで活躍する小谷さんと平野さん。最後に、友人でもありながら仕事仲間でもあるお二人は、お互いにとってどのような存在かを伺った。

平野「おみゆは、美です。まずとっても美しくて、その美しさに正義を感じます。見てるだけで幸せになれる。しかも、芯の強い心の持ち主だなーと仲良くなってよく思います。自分の意見をちゃんと持って前に進んでいく人。おみゆと一緒だったから今回の企画も有言実行できたなあと思います」

小谷「彼女の言葉や生み出すものは、とても刺激になります。初めて出会ったときの『あ、この人同じ匂いがする』という直感的な衝撃は忘れられない。同世代の友人とは、好きなものが共有できない学生時代を過ごしていたので(笑)、彼女と一緒にいると、しみじみと嬉しさが込み上げてきます。言葉だけでなく、瞬間的に受け取る感情や、共有できる喜びをこれからも大事にしたいと思える存在です」


about THEM

小谷実由
Model
小谷実由

モデルとしてファッション誌やカタログ、広告で活躍する一方、様々な作家との創作活動も意欲的に展開している。趣味は純喫茶めぐり。

平野紗季子
Food Essayist
平野紗季子

1991年生まれ。フードエッセイスト。小学生の頃から食日記をつけ続けるごはん狂(pure foodie)。日常の食から始まる発見と感動を綴るブログが話題となり、現在は「anan」「SPRiNG」など雑誌での連載を中心に活動。著書にフードエッセイ本「生まれた時からアルデンテ」(平凡社)がある。

「平野紗季子の(食べれない)フード天国」
会期:9月29日(火)〜10月13日(火)
会場:伊勢丹新宿店本館2階=センターパーク/TOKYO解放区

会期:9月29日(火)〜10月13日(火)
会場:イセタン羽田ストア(レディス)ターミナル1

会期:9月29日(火)〜11月3日(火)
会場:伊勢丹オンラインストア

会期:10月28日(水)〜11月2日(月)
会場:ジェイアール京都伊勢丹5階=中央エスカレーター脇 特設会場

【問い合わせ】
株式会社 三越伊勢丹ホールディングス マーケティング戦略部 伊勢丹PR担当
TEL 03-3225-2474 / FAX 03-3225-3646


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