日常に彩りをあたえるストアガイド

谷中 松野屋

写真:TRVS 文:野村優歩
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谷中 松野屋

日々の暮らしに寄り添う、素朴な荒物問屋のお店

日本古来の街並みや建造物が今もなお残り、寺町と呼ばれるように寺院が集中していることでも有名な東京の下町、谷中(やなか)。”夕焼けだんだん”と名付けられた情緒あふれる商店街がある通りに昭和の雰囲気を色濃く残す『谷中 松野屋』はある。今ではなかなか見る機会も減ってしまった露店を思わせる軒先、そしてそこに並んだ自然の風合いを感じさせる大量の籠には、商店としてのひとつの原風景が見てとれる。

松野屋
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店内に進むと、”暮らしの道具”と看板に謳う通り、トタンのバケツや箒や長靴など、かつて我々の生活には欠かすことのできなかった日用品たちが所狭ましと並べられる。ここは下町生まれで下町育ちの店主、松野さんが切り盛りする昔ながらの荒物雑貨のお店。京都で鞄作りの基礎を学び、先祖代々続く鞄の卸問屋を嗣ぐことになった松野さんは新たに日用品をメインとしたお店作りを開始した。それは人々の生活に寄り添ったモノを作り手と共にしっかりと伝ていきたいという想いが根底にあったからだという。

松野屋
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松野さん自身が全国各地の産地を実際に巡り、職人さんと交わりを持つことによって集められてきたモノたち。そのどれもが職人さん一人ひとりの手によって丁寧に紡がれてきた想いが形となった産物なのだ。利便性を求めながらもあくまでも素朴な日用品として自然の素材を採用し、求めやすいという価格で販売されている。日用品のあるべき姿がここにはある。

松野屋
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松野さんが荒物雑貨の可能性を感じたのは海外でのある体験からだったという。「昔からアメリカやヨーロッパなどに仕事で行く機会はあったんですが、先日台湾で久々にトークショーとポップアップショップをやったんです。その時に改めて実感したのは、暮らしに関しては世界中どこもそれぞれの良さあって比べるものではないんだなということだったんです。当たり前のことなんですが、それぞれの地域に根付く文化から生まれていくからこそ魅力的な生活になるんだなと。だからこそこうした今の日本にあるナチュラル雑貨は、アメリカやヨーロッパでも注目されていますし、日本でも若者からも関心を持たれていますよね。現にいま僕のお店の正社員にもニューヨークと台北に留学経験者もいたりしますからね」

松野屋
(手前)松野屋オリジナルブランドである《THREAD-LINE》のヘビーキャンバスツールトート¥12,000(Sサイズ)、(奥)同じく《THREAD-LINE》のヘビーキャンバストート¥7,900(Lサイズ)
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三河木綿の生地を使った半袖シャツ¥24,000
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一つ一つ職人によって手作りで編み込まれたしちりなかご(小) ¥5,600
松野屋

国内でも数少ない荒物専門の職人さんの作る道具から松野屋オリジナルの日用品やオリジナルブランドである《THREAD-LINE(スレッドライン)》の各種バッグまで。なかには今となってはなかなか見ることも少なくなった珍しい道具がここでは手に入れることが可能だ。

松野屋
谷中 松野屋店主の松野さん。自身の著書に「あらもの図鑑」(とんぼの本)がある。
松野屋

「あくまでも僕らは街の小さな雑貨や日用品を扱うお店ですから、デザイン性の高いものなどを扱っているわけではなんですが、良いものはいつの時代も変わらず残り続けるということが少しでも伝わればいいですね」。そう最後に話してくれた松野さん。最近では旅行会社による観光ツアーなども組まれるなどなにかと話題にあがる谷中。そんなエリアで永らく文化を守り続ける『谷中 松野屋』にはぜひとも足を運んでもらいたい。いいお店やモノを作るのは人なのだときっと実感するはずだから。

谷中 松野屋
東京都荒川区西日暮里3-14-14
OPEN 11:00-19:00 (土・日・祝日は10:00-19:00) ※火曜定休(祝日は営業)
TEL 03-3823-7441
www.yanakamatsunoya.jp


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