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続・今起きているリアルな“生活革命”

写真:神藤 剛 文・編集:奥原麻衣子
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続・今起きているリアルな“生活革命”

ブルックリンやポートランドの小さなコミュニティから生み出される働き方や 暮らし方を例に、金融危機以降にアメリカで起きている価値観のシフトや新たなムーブメントを紹介している一冊『ヒップな生活革命』。著者であるニューヨーク在住のライター佐久間裕美子さんと、東京・馬喰町で、昔ながらの生活道具を扱う荒物問屋、松野屋の店主松野弘さんが語らいます。世代も、暮らす場所も異なる二人がこの一冊を通じて、共感しあえたこと。そして「今起きているリアルな生活革命とは?」。その続編。

変化する消費者の価値観

編集部:最近お二人が、面白いと感じていることや注目していることは、どんなことですか?

松野:商売は、一つのリンゴに例えると、一切れ一切れが市場で、一つのリンゴをみんなで食べている状態。ただ、リンゴは時間が経つと、色が変わってしまう。その変色した部分を切り取ったり、塩水につけて色を戻したり。この話は、手法を変えることで、新しい視点が生まれることがあるということ。実際にこれを目の当たりにした時、商売の面白さを改めて実感しますね。僕は、隙間産業のような小さな市場の中で、今の仕事を続けきました。なので、いつもまだ誰にも見つけられていない、未開拓のリンゴ畑を探し続けているんです。

松野弘

佐久間:なるほど、その通りですね。私が面白いと感じているのは、変わっていく世界を見ること。これまでの世界では、ブランドは、大きいほど、消費者に夢を見せるという手法に頼ってきました。ただ、そういったブランドの多くが、時々ものづくりの背景を見せることもあるけれど、どういう人が、どういう工程で作っているか、具体的なところまで見せることは決して多くなかった。けれど今、幻想に夢を抱いてきた消費者たちの関心が、その物がどのようにして作られているか、ということに移りつつある。
 一番洗練された消費者の価値観が変わってきているなかで、ラグジュアリーブランドが、どのようにして、ものづくりの現場を見せていくか。それは一つの使命と言えるかもしれません。ただ賢い人たちは、すでに方法をきちんと考えていると思います。ラグジュアリーが持つ意味合いが変わってきているなかで、ラグジュアリーブランドのような大きな組織は、どう対応していくのか…そのことに今とても興味があります。

佐久間:これから先、どういうものが流行って、どういうものをみんなが手に取るかは、だれにも分からない。自分が手に取るものが、どうやって作られていて、一つのものがどういう意味を持っているか。そう考えることが、スタンダードになっていったら、もっといいですよね。

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