GO ADVENTURE WITHOUT EFFORT!!

三者三様、新しい時代のパッキング術
「超軽量で過ごすエフォートレスキャンプ」
#01 伊藤 弘 (groovisions)

写真:竹内一将(STUH) カバーデザイン:菅谷幸生
文:野村優歩 編集:kontakt
BOOKMARK
三者三様、新しい時代のパッキング術<br />「超軽量で過ごすエフォートレスキャンプ」<br />#01 伊藤 弘 (groovisions)

アウトドアを楽しむという行為がひとつのライフスタイルとして定着し、人々の生活の中でより身近な存在となった今。これまで以上に快適なアウトドアライフを過ごすことが次なるステージになっているように思う。groovisionsの伊藤さんは〝ウルトラライト(超軽量化)″なパッキング術を体現する一人だ。

重量負担を減らし、ストレスフリーに。さらには環境にまで配慮されたギアを選ぶことによって、エフォートレスにアウトドアを楽しむことを可能にしてくれる。そうした考えをもとに普段からキャンプやトレッキングなど自由に楽しむ伊藤さん。一泊二日のテント泊をテーマにしたバッグの中身から、次なる外遊びの姿が見えてくる。

追求するというよりは、自然に軽量化していた

ピチカート・ファイブを始め、RIP SLYMEなどの個性派ミュージシャンからインテリアデザイナーの片山正通氏、美術家の村上隆氏とのビジュアルコラボレーション、さらにはファッション雑誌や広告分野でのディレクションも数多く手掛け、国内のデザイン&カルチャーシーンを牽引し続けるクリエイティブカンパニー、groovisions。その代表を務める伊藤さんは、業界きってのアウトドアフリークとしても知られている。

アウトドアの持つ魅力は人それぞれ。物量投入の面白さがある一方で、”軽さ”にこだわる伊藤さんがアウトドアに目覚めたきっかけは、自転車だったという。「もともと自転車が好きで、カスタムをしていく中で軽さを極めていくことに面白さを感じたのが始まりだったと思います。それからレイ・ジャーダインの本を読んだことで、アウトドアのジャンルで軽量ギアを集めるようになったんです。ウルトラライトというスタイル自体はアメリカで始まったムーブメントで、僕が興味を持った当時は、アメリカのガレージブランドのものを通販で購入したりしていました」。

伊藤 弘・groovisions

「テクノロジーの進化と共に軽量化されたギアが増えていることは最近ではもはや珍しいものではなくなっていると思います。誰もがそうだと思いますが、日常でも旅行などでも荷物は極力軽いほうがいいじゃないですか? なので特に強く意識してというよりはあくまでも自然な流れなのかなと。個人的にはそうしたウルトラライトなスタイルというのは今の時代、必然的なものだと思っていて、いろいろなカルチャーに接している感覚とあまり変わらないんです。極端なことをいえば、ポートランドのような街に注目が集まっているような事実と無関係でなくて、どこかでリンクしていると思うんですよね」。

《LOCUS GEAR》のトレッキングポール

《LOCUS GEAR》のトレッキングポール

「トレッキングする際にはよく使いますが、シェルターのポールとしても使用します。シャフトが100%カーボンでできているので、非常に軽いですが、強度含めて若干気を使うギアでもあります」。

チタンのペグ《PETZL》のライト《SUUNTO》の方位磁石《LIGHT MY FIRE》のカトラリー《LOKSAK》の防水バッグ

チタンのペグ、《PETZL》のライト、《SUUNTO》の方位磁石、《LIGHT MY FIRE》のカトラリー、《LOKSAK》の防水バッグ

「テントを張るのに必要なペグや、非常用として最低限な機能を持った磁石やライト、ナイフとフォークが一体になったカトラリーはジップロック的なバッグにまとめて入れておくことが多いです。このあたりも基本的なアイテムですけど、どれも比較的ライトウェイトなものを選んでいます」。

《AdventureMedicalKits》のエマージェンシーブランケット

《AdventureMedicalKits》のエマージェンシーブランケット

「確か5年ほど前に購入したもので、テント泊の際には持っていきますね。ポリエチレンの生地に高純度のアルミを蒸着加工したシートタイプなんですが、ウールなどのブランケットとは違い、70g程度しかない軽量な造りで保温性もあります。緊急用のギアとしても機能するので以外と役立っています」。

《Western Mountaineering》のスリーピングバッグ

《Western Mountaineering》のスリーピングバッグ

「サマーライトと呼ばれるモデルなんですが、保温性の高い上質なダウン素材を使っていて、ブランケットにもなる万能ギアですね。真冬はさすがに厳しいですけど、暖かい季節で活躍してくれます。このブランドは昔から愛用していてすごく信頼できるブランドなんです」。

《seychelle》の浄水ボトル《nalgene》のカンテーンボトル

《seychelle》の浄水ボトル、《nalgene》のカンテーンボトル

「《seychelle》のボトルは浄水機能を持ったものでは、ポピュラーなブランドのものなんですけど、浄水能力が高くて簡単なのが特徴ですね。《nalgene》もアウトドアでは有名なブランドで、浄水した水をここに入れておくので、この二つはセットで持っていくことが多いですね」。

《EVERNEW》のセラミッククッカー《Trail Designs》のサイドワインダー

《EVERNEW》のセラミッククッカー、《Trail Designs》のサイドワインダー

「料理をするときの道具も軽くてシンプルなものが基本ですね。最低限のギアさえあれば食事はできるので、カルデラコーンと呼ばれる風防スタンドと固形燃料があれば問題はありません。一人分なら鍋は600ccくらいのサイズであれば十分で、小さいサイズのものはあれば便利というくらいの感じですね」。

《山と道》のバックパック

《山と道》のバックパック

「ここ最近しばらく使っている日本のガレージブランドのバックパックです。最低限の機能しか装備していないんですが、とにかく軽さと機能のバランスが優れています。一泊程度のトレッキングには最適だと思いますね」。

アウトドアを特別な行為として捉えるのはではなく、あくまでも普段の生活やクリエイションの延長線上に存在しているという認識が伊藤さんにとって最も自然なのかもしれない。「フィジカルを鍛えたり、日常と切り離された遊びとしてやっているものでもなくて、例えば、音楽を聴いたり、アートを見たりする感覚とそんなに変わらないというか、一つのカルチャーとして接しているような気がするんです。それぞれの文脈に現れている時代の空気を読み取ることとかが楽しんですよね」。

伊藤 弘・groovisions

【特集:三者三様、新しい時代のパッキング術】
▶︎ Vol.01 伊藤 弘 (groovisions)
▶︎ Vol.02 片貝 俊 (stylist)
▶︎ Vol.03 山本憲資 (Sumally)

about him

groovisions 代表
伊藤 弘

1993年に京都にてデザイングループであるgroovisionsを設立。1997年から活動拠点を東京に移し、CDのパッケージデザインやPV、様々な企業やブランドのアートディレクション、グラフィックデザイン、モーショングラフィックデザインなど、その活動は多岐に渡る。


FOLLOW US

pickup JOURNALS