STATEMENT OF ONE'S WARDROBE

人気スタイリストが考える“個性の作り方”
「性差や国籍、年代を越えて」
#01 上杉美雪

写真:竹内一将(STUH) 取材・文:坂崎麻結 編集:kontakt
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人気スタイリストが考える“個性の作り方”<br />「性差や国籍、年代を越えて」<br />#01 上杉美雪

ファッションは自由だ。どんな価値観を持って何を選び、どう着こなすのか。その姿勢に、個性は表れる。それは例えTシャツ1枚であっても。自らのスタイルを確立したスタイリストにこそ、聞いてみたい。“個性”はこうしてつくられる。

レディースファッション誌を中心に活躍し、女性の持つ強さを表現しつづけているスタイリスト、上杉美雪さん。決して流行にとらわれることのない、しなやかで力強いスタイリングが多くの現代女性の支持を得る彼女自身に訊いた、「“個性”の作り方とは?」

スタイルのある着こなしには“生き方”が表れる

日頃から旅やストリートのファッションを愛していて、人の手でつくられたものが好きで、いつも洋服の向こう側にいる“人”を見つめている。異国の匂いとパワフルな女性像が混ざり合ったワードローブには、“ボヘミアンシック”と表現する自身のスタイルが浮かびあがってきて、とても上杉さんらしい。上杉さんがファッションの世界に入ったきっかけはストリートスナップだった。雑誌『Olive』の全盛期にスタイリストという職業があることを知り、コネクション作りの作戦としてデニムのスナップに参加したことが全てのはじまり。「そういう意味でも、ストリートは自分のルーツなんです。性別も国籍も年代も越えた個性や生き方が垣間見えるし、カテゴライズできない違和感やエナジーにインスパイアされる。旅先のストリートで出会う人々の影響もとても大きいですね。やっぱり自分のスタイルを持っていて、個性的な生き方をしている人が好きなんです」

旅をすることと、そこで出会ったもの

「旅で得たものはたくさんあります。東京で暮らしているからこそ、どこか解放されたいと思う瞬間や自然に触れたくなるときがある。旅先で自分がちっぽけに感じてしまうような大自然を前にすると、本当に必要なことや、大切なことが見えてくる。価値観が変わるような旅を経験することで気づいたのは、今この瞬間がいかに大事かということ。今を大事にして、チャンレンジしていくこと、楽しむこと。これはファッションにも反映されていると思います」

手編みのショルダーバッグ※01 手編みのショルダーバッグ毎年夏を過ごすというポートランド、そしてコレクションのたびに訪れるパリ。旅先で過ごす時間も、上杉さんのスタイルには欠かせない。「夫のホームタウンなので、5~6年ほど前から毎年夏はポートランドで過ごすのが定番になっているんです。そこで見つけた手編みのショルダーバッグ(※01)は若いカップルがストリートのフリーマーケットで売っていて、色合いが気に入って買ったもの。職人的な手仕事にすごく魅力を感じるので、作った人の顔が見えるというのも、私にはとても重要なことですね」

スエードのフリンジジャケット※02 ヴィンテージのスエード素材のジャケット。
上杉さんはデニムと合わせることが多いそう。
「ポートランドに行くと、古着屋をくまなく回るんです。スエードのフリンジジャケット(※02)は、3年くらい前に見つけたもの。春はまだ空気がドライなので、このくらいの時期はスエードを着ることが多いです。ブラックだと都会的な雰囲気になるし、サイズもコンパクトで馴染みやすい。最近はトレンドのひとつにもなっていますが、70sとボヘミアンは私の根底にあるスタイルなので、フリンジは自分にとって心惹かれるアイテムなんです」

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about her

Stylist
上杉美雪

スタイリストとして「 ELLE JAPON」「FIGARO japon」「SPUR」「GINZA」などのレディースファッション誌を中心に活躍。女性的かつ洗練されたスタイリングが支持を得ている。3rd artist representative所属。


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