ARTISTIC JOURNEY WITH WOODWORK

盛永省治が削り出す
ワン・オブ・カインドのウッドボウル

写真:竹内 一将(STUH) スタイリング:豊島 猛 編集:川島拓人
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盛永省治が削り出す<br />ワン・オブ・カインドのウッドボウル

「木に残った虫食いや傷は木の個性だから、そのまま残したいんです」

「木に残った虫食いや傷は木の個性だから、そのまま残したいんです」と、鹿児島を拠点に活動する日本屈指のウッドターナーのひとり、盛永省治氏は言う。この言葉通り、彼の作品は、ワイルドかつ自然がもつ力強い雰囲気を感じると同時に、ものすごく繊細な表情をも持っている。このふたつの顔を併せ持っているのが、盛永氏が手掛ける作品の特徴ともいえる。

片や木屑が所々に散乱した工房で、木工旋盤を回し、サクラやウォールナット、ブラックチェリーなどの木材に刃をあて、削り出していく。この手作業によって生み出されるのが、やわらかな造形の曲線と木目の生み出す曲線、二つの曲線が成すウッドボウル。「それぞれの木がもつ癖を見極めて、個性を大事にする。でも作品としてなるまでには、体力を要する作業と手間がかかっています」とは盛永氏。複雑な木目から、最も美しい木の表情を探し出すのには、相応の作業工程があるのだ。また同氏の削り出し作業もユニークである。あらかじめデザイン画を描くことはしない。木材を熟視し、そして手にとった感覚を頼りに、木を旋盤にあてる。そして削り出しながら、盛永氏は次第にフィニッシュのイメージを頭のなかで作り出すのである。こうして生み出されるウッドボウルは、用途に特化した道具というよりも、手間を惜しまずに完成した、もはやオブジェに近い。

《Shoji Morinaga》のウッドボウル ¥37,800 [プレイマウンテン TEL_03-5775-6747]

about him

Wood Turner
盛永省治

1978年、鹿児島生まれ。ランドスケーププロダクツの家具を制作する「ファクトリー1202」にて、7年ほど修行する。2007年に独立し、地元鹿児島に『Crate Furniture Service』を設立。アメリカの巨匠木工作家、アルマ・アレンに師事する。現在、国内外の展示を含め、大きな注目を集めるウッドターナーのひとりである。


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