「勝ったのはあの百姓たちだ」

 

日本映画のオールタイムナンバー1と信じて疑わない黒澤明監督作品『七人の侍』。

ラストシーンで語られる志村喬のこの台詞は世界に誇る日本映画を代弁している、と言っても過言ではないでしょう。

 

時代劇好きです。

若い頃は親父がテレビで『水戸黄門』とか『銭形平次』ばかり観るのが、

嫌で嫌でたまらなかったのに、自分も五十の坂を下り始めると、時代劇ばかり観ています。

といっても、僕の場合はテレビ番組というよりも、小説やマンガですが。

四十も半ばを過ぎた頃、藤沢周平にハマりました。

特に『隠し剣』シリーズは、ナイトキャップのともとして、スタンダードになっています。

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数年前から海外に行く際に、機内で読み始めたのが『コミック乱』(リイド社)。

時代劇漫画ばかりを掲載した月刊誌ですが、最近は国内で毎月購読しています。

池波正太郎原作の『鬼平犯科帳』と『剣客商売』が二大看板。

ともに小説で読んだ作品もあるのですが、劇画となっても面白さは少しも変わりません。

我が家のトイレには『コミック乱』のコンビニ・コミックス版(SPコミックス)が十数冊ストックされて、

長トイレの原因となるとして家人から毎朝クレームがでます。

すっかり用は済ませたのに、1話完結しないとトイレから出ないので。

ちなみに、僕は漫画でも映画でも好きな作品は何度繰り返して観ても、飽きません。

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そんなリイド社から最近になってSPコミックスとして発行されたのが、『腕〜駿河城御前試合』。

南條範夫原作のこの作品はこれまで幾度も劇画化されてきましたが、森秀樹の筆はまた別格!

ものすごい迫力であり、女性も艶っぽい。これを読むために何度でもトイレに籠りたくなります。

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時代劇の面白さは、痛快と悲哀。エロとグロ。

藤沢周平も池波正太郎も、エロティックなシーンは欠かせません。

この『腕〜』もまさに時代劇の面白い要素をすべて、揃えております。

 

小説や劇画に比べると、最近の映画やドラマの時代劇はどうもインパクトが弱いと思います。

黒澤明監督のいない時代に生まれた日本人は不幸ですね。

黒澤監督もエロとグロは控えめですが。

 

 

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「何と、何と、64年振りの夢叶う! ウオッカ先頭!」

 

2007年のダービーでは、 並みいる牡馬を一蹴した女馬、ウオッカ。

父のダービー馬、タニノギムレットよりも強くなってほしいという願いから、ギムレット(=ジンベース)よりも強いウオッカと命名。タニノウオッカにせず、ただウオッカにしたのは、カクテルにせず、ストレートのままのほうがより強いだろうという理由だとか。

こうした単純なネーミングのほうが、熟考した名前の馬よりも強い、ということはよくあることです。それにしてもこのウオッカ。ダービーを制しただけではなく、天皇賞やジャパンカップも勝ってしまうのだから、とてつもない名牝です。サッカーに例えたら、中村俊輔からトップ下の座を奪い、ワールドカップでベスト8に入る活躍をする澤穂稀というところでしょうか。例えが悪くて余計わかりづらくなりました、ね。

当時、独り者の私の楽しみは週末の夜に酒を吞みながらの競馬予想。しかし、私はこのウオッカの馬券を一度も買ったことがありません。馬券的中の才能がないことをウオッカによってとことん教えられた私はその後、競馬は観るだけ、にしております。よって、週末の夜も酒を吞むだけ。

そんな時に、背の高いロン毛のスタイリストさんから教えてもらったのが、「ウォルフシュミット」。ロシア生まれ、アメリカ育ちのウオッカです。これが、美味い! すっきりして雑味がまったくない。それでいて、どこか味わい深い。以来、ウォルフシュミットのソーダ割が、競馬新聞の代わりに、寂しい私の相手をしてくれました。

 

ところが!

このウォルフシュミット が数年前から、入手しずらくなったのです。輸入元のメルシャンが仕入れを中止。しかたなく、ネット通販にて取り寄せてい吞んでいました。背の高いロン毛のスタイリストには「よく、家でウォッカソーダなんて吞めるね」と一人の寂しさを理解していただけなかったのですが、たいへん美味しくのませていただいていました。

しかし、何と!

ついにアメリカでも生産中止という知らせを聞きました。もともとアメリカも東部でしか出回っていなかったウォルフシュミットですが、ニューヨークではどんな小さい酒屋でも売っているようなポピュラーな酒だったのに、なぜ生産中止になったのか、理解できません。もうアメリカ人はハードリカーを吞まなくなったのでしょうか?

 

今、我が家には最後のウオッカが残りボトル1/3となりました。アメリカでの生産中止を耳にしてからは、もったいなくて吞んでおりません。今更スミノフやストリチナヤなんて吞めないし、いよいよ、競馬新聞に続いて、ウオッカソーダも僕から離れていってしまいます。マイ・スタンダードがなくなるというのは、本当に寂しい思いにさせられます。歳をとるというのは、こういうことなんでしょうか。

 

と、言いながら、昨夜一杯だけ、吞みました。うん、うまかった。馬、勝った……。

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「顔は四角でも、味はまろやか〜」

「もう一丁、いく?」

「押忍!」

 

そんなCMも懐かしいペヤングソースやきそば。

市場から姿を消してもう数ヶ月が経ちました。

完全に禁断症状がでています。

あの忌まわしい異物混入事件の前に3つ買い置きしていたペヤングは、

事件直後に何気なく一個、1月のパリコレ期間中に一個、

そしてつい先週の夜中に最後の一個を食べ尽くしました。

すでに買い置きは底を尽き、未だ市場に「四角い顔」は現れていません。

いつになったら再発売されるのかも、わかりません。

まるか食品のHPでも、再開の見通しは立っていない報告があるだけです。

もう、あと何ヶ月も食べられないかと思うだけで、両あごの付け根から

唾液がじわり溢れ出します。

お願いですから、一刻も早い復活を望みます。

このままだと、ネットオークションで箱買いしちゃいそうです。

ちなみに現在の相場は18個入りの1ケースが¥3500あたりです。

通常販売価格の倍の値段。

バラ売りだと、1個¥300〜¥500。

 

でも、たまに食べるから美味しいんですよね。

大学生の頃、週に一回食べていましたが、

ときどき、「あれ、こんなにマズかったかな」と思うこともありました。

体調ですかね。

いつもしている行為だけど、そのときどきで、

めちゃくちゃ気持ち良いときと、

期待していたよりも気持ち良くないときって、ありますよね?

それと同じですかね?

食べたくて、食べたくて、我慢していて食べると、より美味しいのかもしれません。

ああ、早く、ビール飲みながらペヤング食べたいです。

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「とうとう、ダブルのジャケットを作っちゃいました」

2年ほど前、《エンジニアド ガーメンツ》のデザイナーである鈴木大器さんが、妙に言い訳っぽく話してくれた。

彼の中ではずっと「ダブルのジャケットは邪道」というこだわりがあったのだろう。

自分の信じた服を作るデザイナーにとって、そうしたこだわりは大切だと思う。

 

しかし、僕はダブル・ブレステッドが大好きだ。

持っているスーツもダブルのほうが多いかもしれない。

加藤和彦さんは通っていたテーラーの方から伺った話として

「人には一生ダブルしか着ない人や、シングルだけで人生が終わる人もいるという事になる」(『エレガンスの流儀』河出書房新社刊)と

書いておられる。果たして、僕はどちらなのかわからないのだけれど、勝手に「ダブルのほうが似合う」と信じている。

 

今日、日販やトーハンといった雑誌の「取次ぎ」にもダブルのスーツで伺った。

ここは、雑誌の部数を過去の販売実績によって決定するシビアなところです。

ダブルのスーツで行こうが、シングルで行こうが、「お宅は先月売上が落ちているので、次号は部数を落としましょう」と

言われたりする血も涙もないところです。(中には温情派の方もいらっしゃいますが……)

 

今日のダブルのスーツは《m’s braque》というブランドの「COSTUME」レーベル、定番のスーツのラインです。

ネイビーにグレーのウィンドウペイン。サイズは38で、最近ちょっと太り気味なので、ボタンが吊っています。

お恥ずかしい。

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こちらは、先日届いた《m’s braque》秋冬用のグレーフランネルのチョークストライプ。

ウインドウペインとまったく同じパターンのダブル・ブレステッドスーツですが、

胸のポケットだけ、パッチポケットから変更しました。

こちらはサイズ40。でも、あまりサイズ感に違いを感じないのですが……。

 

日本人のデザイナーの方が、パリにて製作しているという《m’s braque》。

ダブル・ブレステッド・スーツのマイ・スタンダードです。

(ただし、これ以上体重が増えない限りは)

 

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「俺はこいつじゃなきゃダメなんだから、仕方がねぇ。仲良くやってくれよ」

 

今から30年ほど前に大ヒットしたTBSのドラマ『ふぞろいの林檎たち』の中で、

中井貴一演じる主人公の兄役の小林薫の台詞。

姑のいびりに耐えきれず、家出した嫁を連れ戻した長男小林薫が、実母に意を決して

吐いたこの言葉は、劇中でもふぞろいな女子大生の心を打ったと同時に、全国の嫁姑問題を

抱えている家庭で大反響を呼びました。

脚本は山田太一。この方の『岸辺のアルバム』が大好きでした。

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このドラマのテーマソングはサザンオールスターズの『いとしのエリー』でした。

ヒットから30年以上経った今でも、誰もが知っている日本音楽史上が誇るスタンダードナンバーです。

しかし、以前桑田佳祐さんにインタビューしたとき、『ふぞろいの林檎たち』の話をしたら、

あまり快く思っていないようでした。

「あの曲はドラマのために作った曲じゃないですから」。

ドラマのテーマソングならば、ドラマに合った曲を自分で考えて作りたい。

後から良いとこ取りで、自分が描いていたイメージと違ったイメージを植え付けられるのは、

残念である。それが、桑田さんの言い分だったような気がします。

とても納得。

 

では、ドラマやCMの制作者が、すでに誰もが知っているスタンダードナンバーを使うというのは、

あまり褒められた行為ではないのでしょうか?

もちろん、曲の制作者のイメージとは違っていても、ドラマなどの制作者は「この曲以外に考えられない」

と思う曲もあると思うのですが、いかがでしょうか?

 

例えば、桑田さんにドラマの制作者がテーマソングを依頼する。

『「いとしのエリー」のような曲をお願いいたします』

桑田さんは答える。

「あの曲には別のイメージがあるので、今回のテーマに合ったオリジナルソングを作りましょう」

とても真摯な対応。

果たして、曲が完成した。

良い曲だ。オリジナル曲だから、テーマにも合っているし、他のどの感じとも違う。

でも、「いとしのエリー」は超えてはいない。

そりゃ、あれほどのスタンダードナンバーをそう簡単に超えられるはずがない。

で、結論。

あなたがドラマの制作者だったら、感性に従い、「やっぱり『いとしのエリー』を使わせて下さい」

と言いますか?

それとも、道理に従い、オリジナル曲を使いますか?

 

元気になった桑田さんが、最近よくTVCMなどでお見かけする度に、

「スタンダード」な曲の使われ方を、考えるようになりました。

 

ちなみに、『いとしのエリー』で清純な美女を演じていた石原真理子ですが、

30年前、一瞬でも彼女に惚れた自分が、今ではなんとなく恥ずかしくもあり、

なんとなく、わかるような気もします。

 

 

 

 

 

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