INTO GREAT SILENCE / DIE GROSSE STILLE

ドイツ人監督、フィリップ・グレーニングは1984年に撮影を申し込み、ひたすら返答を待つ。
そして16年後のある日、突然、扉が開かれた。

彼は修道会との約束に従い、礼拝の聖歌のほかに音楽をつけず、ナレーションもつけず、
照明も使わず、ただ一人カメラを携えて6カ月間を修道士とともに暮らした。
なにも加えることなく、あるがままを映すことにより、自然光だけで撮影された美しい映像が
より深く心にしみいり未知なる時間、清澄な空気が心も身体も包みこむ。
(映画 公式サイトより)

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長らく日本での公開が待たれていたドキュメンタリー映画、「大いなる沈黙へ」 を観に行きました。
グレーニング監督のオファーから20年以上の時を経て公開された この映画を知ったとき、
ひどく衝撃を受け、公開を心待ちにしていました。

アルプス山脈に建つ、11世紀から1000年近くの歴史を重ねる 「シャルトリューズ修道院」。

3時間眠り、3時間祈り、3時間眠るという、一生涯 ひと晩中眠りつづけることなく、
常に高いテンションを維持し続けるスタイルで、カトリック教会のなかでも
最も戒律の厳しいカルトジオ会本部の修道院として 伝説的存在である同院は、
”リキュールの女王” として名高い、同名の 「シャルトリューズ」 を醸造する院でもあります。

昨年の記念日に表参道のイタリアン、フェリチタに伺った際に
私のワインの師匠である、支配人の永島さんが 最後に出してくださったもの。

Chartreuse

130種以上ものハーブを加え、数々の工程を経て作り上げられるそれは、
修道院のなかでも わずか三名しかレシピを知ることのない 秘伝のリキュール。
(自給自足を営む彼ら、生活費/修道院の運営費以外は全て寄付してしまうそうです)

そんな、神秘のベールに包まれたシャルトリューズ修道院を、
「ナレーションをいれず」「音楽も挿入せず」「照明無く」、
グレーニング監督一人の手によって撮影された 2時間49分の映画。

ブリキの小箱を唯一の持ちものとし、東洋と西洋のハイブリッドさせたかのような厳格な規律のなかで、
毎日を祈りに捧げ、一生を清貧のうちに生きる修道士たち。
約1000年間、変わらずに祈り続ける修道院と神との”対話”を、そっと傍らで見つめているような構成。

修道院の、変わることなくミニマムな佇まいの、フェルメールの絵のような陰影の なんと美しいこと。

Chartreuse_01

Chartreuse_02

皮切りとなった岩波ホールは8月22日まで、順次全国にて上映がスタートしています。
スケジュールはこちら。 ぜひに。

そして、映画のアフターにはシャルトリューズで、
恐らく、この瞬間も祈り続ける修道士に思いを馳せ、余韻の時間をお過ごしください。
永島さん、ふたたびありがとうございました!)

Chartreuse_03

 

■ 大いなる沈黙へ ーグランド・シャルトルーズ修道院

岩波ホールほか、全国順次ロードショー
監督・脚本・撮影・編集:フィリップ・グレーニング
製作:フィリップ・グレーニング、ミヒャエル・ウェバー、アンドレス・フェフリ、エルダ・ギディネッティ

サンダンス映画祭2006 審査員特別賞受賞
ヨーロッパ映画祭2006 ベストドキュメンタリー賞受賞
ドイツ映画批評家協会賞2006 ベストドキュメンタリー賞受賞
ドイツカメラ賞2006 最優秀賞受賞
バーバリアン映画賞2006 ベストドキュメンタリー賞受賞

公式サイト:http://www.ooinaru-chinmoku.jp/

予告編映像

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